東京メトロ三田線西巣鴨駅の階段を上ると
空には夏が広がっている。
今日、梅雨が明けた。
国道17号（中山道）をさいたま方面へしばらく歩くと
「滝野川八幡通り商店会」がある。
以前、訪れた宮元商店会の近くの商店街がそれだ。
商店街の入り口近くに「滝野川浴場 入口」の案内表示があった。
銭湯がある商店街は心が和む。大きな湯舟は街の社交場だ。
街路灯には真新しいフラッグが下がっているのだが、
通りには店舗よりも住宅の姿が目立つ。
シャッターを下ろしたままの酒店を通り過ぎると
精肉店が店を開けていた。
中では店主が豚肉の塊をおろしている。
惣菜のショーケースが空っぽなので聞くと
コロッケやメンチカツなどは注文が入ってから、
その都度揚げているそうだ。
精肉店の「中川屋」は丁寧な仕事をする店だ。
先に進むと店の前にベンチが置いてあるパン店を見つけた。
近くに住むフランス人も常連客だけあって、
「ベーカリー モグモグ」の自慢は
バゲットやカンパーニュなどのハード系のパン。
毎朝4時から仕込んでいるそうだ。
パンの写真を撮っていると若いお母さんがカレーパンを買いに来た。
この店はカレーパンも人気商品だ。
商店街には精肉店がもう一店舗。
店の壁面に大きく「肉」の文字が書かれた「京増」は、
ちょうどシャッターを上げているところ。
早速店に入って行く親子の姿があった。
二人は開店を待ちわびていたのかな。
向かいの店舗は「ニース洋菓子店」。
店中では店主が出来立てのチーズケーキをショーケースに並べている。
店の人気は自慢の生クリームを使ったショートケーキだ。
ショートケーキと並んで人気なのはドーナツ。
ドーナツの残りは早くもワンパックだけになっている。
人気の程がうかがえる。
少し先の「大芝米店」の店先には手作りの行燈がぶら下がっている。
米粒をモチーフにしたイラストがとってもキュートだ。
店舗数は多くはないが「滝野川八幡通り商店会」の店たちは
静かな笑顔で街の人たちに寄り添っている。
いつもの味をいつまでも作り続けて欲しい。
そんな気持ちになる商店街だ。
商店街の終わりに着くと、その名称の「滝野川八幡神社」が鎮座していた。
境内の木々は青々と元気だ。
夏が来た！

案内人:小林猛樹
写真はこちら