門前仲町
東西線 門前仲町駅

辰巳新道

商店街一覧

桜が咲く頃に、花街の名残り酒で乾杯。

門前仲町には酒場が多い。
永代橋通りを挟んで南北の裏通りには居酒屋、
スナック、BARなどが犇めき合っている。
中でも深川公園近くに
左党が見逃してはならない路地がある。
辰巳新道がそれだ。
レンガが敷き詰められた細い通りには
小さな店が肩を寄せ合っている。
三十軒程もあるだろうか、
平日の昼前に暖簾を出している店は無いが、
店々の佇まいを見ると
夜の賑わいを想像するに難しくない。
多くの店の前には鉢植えの植木が飾られている。
子供の頃には普通の光景だった玄関先の緑も、
近頃見ることは珍しくなった。
小料理屋の女将さんが店の前に自転車を止めて、
今日の肴の材料なのだろう
籠から野菜を取り出していた。
店の看板には「いずみ」と記されている。
いずみの女将さんに話を聞くと、
門前仲町界隈は江戸時代から花街として栄えていて、
江戸城(今の皇居)から見て辰巳の方向にあるので、
この花街に艶を醸す芸者を辰巳芸者と言ったそうだ。
辰巳新道は、その名前に花街の名残を残している。
高いビルに囲まれた通りには
四軒長屋などの二階家が現存する。
通りは戦後間もなくから今に至るまで、
当時の姿を留めている。
いずみも半世紀以上、
ここで商売を続けているとのことだ。
最近は街の再開発などで
辰巳新道のような路地や店たちが姿を消している。
諸行無常、仕方の無いことなのは分かっていても
寂しさは拭えない。
いつか四軒長屋も露と消えてしまうのだろう。
帰りに近くを流れる大横川に行った。
両岸には桜並木が続いている。
もう三月も後半だと言うのに風が冷たい。
枝の蕾は硬いままだ。
花が咲くにはまだ少し早いが、
岸には提灯が飾られて、
「お江戸深川さくらまつり」と記された幟が
北風に揺れている。
花が綻びだす頃、
辰巳新道で一献傾けてみようかな。
芸者は難しいが女将さんを相手に花見酒。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・江東区門前仲町2丁目9−4

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