中延
都営浅草線 中延駅

中延商店街

商店街一覧

アーケードは、切ない想い出も包み込んでいた。

アーケードの入り口を見上げると、
赤い屋根をのせた白い家の可愛らしいオブジェが迎え入れてくれた。
ここは、中延商店街。
東急池上線「荏原中延」駅から東急大井町線・都営浅草線「中延」駅に伸びる約300メートル余りの通りだ。
大正時代から続く商店街は、
大井町線中延駅と池上線荏原中延駅の開業にともない、
一層の賑わいを見せるようになった。
昭和44年にはアーケードが完成。雨風はもちろんのこと、
今日のような梅雨の晴れ間の強い日差しからも
アーケードは人々を守ってくれる。
30年以上続く「中延ねぶた祭り」には、
近隣の人たちがこの通りに大勢押し寄せる。
中延商店街には、戦前から続く店もあり、
地域の人たちが毎日の食材やおかず、
日用品や衣料品を買いに来る店舗も数多く残っている。
特筆すべきは、手づくりの甘納豆や桐の家具などを店舗内で製造し、
販売しているお店があることだ。
丁寧に一つひとつ、職人の手でつくられた製品は、
他では購入することができない逸品だ。
ここは、昔気質の職人と商人が同居する稀有な通りだ。
喫茶店の椅子に座って通りを眺めていると、
昔の甘酸っぱい想い出がふいに蘇ってきた。
高校2年の夏、当時の彼女が福引のアルバイトをしていた商店街が、
ここだった。
今時分の雨の多い季節に出逢って、
夏の終わりには、ソーダ水の泡のように弾けて消えた。

案内人:小林猛樹
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案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 染谷家具

    染谷家具

    中延駅側のアーケード入口から少し歩くと、右手のショーウィンドーの中で木を磨いている人 が見えた。躊躇することなく店内に入ると、そこは昭和8年から続く染谷家具。通りに面したガ ラス越しの作業場にいるのは2代目ご主人。壁や引き出しには、さまざまな種類の鋸や鉋などの 道具が整然と並んでいる。染谷家具では、箪笥はもちろん、子どもの椅子や小物入れなど、桐 材を使ったさまざまな家具を製造・修理・販売している。客の希望を聞いて、オリジナルの桐 材家具を作ってもくれる。見せてくれた鉋を愛おしそうに袋にしまう2代目の姿に、道具を大切 に扱う職人の矜持を見た。

    染谷家具

    染谷家具 染谷家具

    中延駅側のアーケード入口から少し歩くと、右手のショーウィンドーの中で木を磨いている人 が見えた。躊躇することなく店内に入ると、そこは昭和8年から続く染谷家具。通りに面したガ ラス越しの作業場にいるのは2代目ご主人。壁や引き出しには、さまざまな種類の鋸や鉋などの 道具が整然と並んでいる。染谷家具では、箪笥はもちろん、子どもの椅子や小物入れなど、桐 材を使ったさまざまな家具を製造・修理・販売している。客の希望を聞いて、オリジナルの桐 材家具を作ってもくれる。見せてくれた鉋を愛おしそうに袋にしまう2代目の姿に、道具を大切 に扱う職人の矜持を見た。

  • 豆のさがみや

    豆のさがみや

    艶やかで鮮やかな緑。エメラルドのようなそれは、甘い蜜で煮あげたえんどう豆だ。ご主人は 湯気を上げるえんどう豆に手早く砂糖をまぶし、熱々の甘納豆を僕に食べさせてくれた。「お いしい」以外の言葉は見つからない。見た目同様、味もきれいだ。豆のさがみやは、元は落花 生を専門に扱っていたが、今は、落花生の他に甘納豆やきな粉、その他豆を使った菓子を中心 に商いをしている。店舗のすぐ裏で3代目が真剣な眼差しで煮る甘納豆と炒る落花生は絶品だ。 すべて手作業で行うので大量生産はできないが、一粒一粒に愛情を込めて作っている豆菓子 は、繰り返すが本当においしい。

    豆のさがみや

    豆のさがみや 豆のさがみや

    艶やかで鮮やかな緑。エメラルドのようなそれは、甘い蜜で煮あげたえんどう豆だ。ご主人は 湯気を上げるえんどう豆に手早く砂糖をまぶし、熱々の甘納豆を僕に食べさせてくれた。「お いしい」以外の言葉は見つからない。見た目同様、味もきれいだ。豆のさがみやは、元は落花 生を専門に扱っていたが、今は、落花生の他に甘納豆やきな粉、その他豆を使った菓子を中心 に商いをしている。店舗のすぐ裏で3代目が真剣な眼差しで煮る甘納豆と炒る落花生は絶品だ。 すべて手作業で行うので大量生産はできないが、一粒一粒に愛情を込めて作っている豆菓子 は、繰り返すが本当においしい。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・東京都品川区東中延2丁目

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