西新井
東武伊勢崎線 西新井駅

関原不動商店街

商店街一覧

不動明王が見守る商店街も、やっぱり人で出来ている。

東武伊勢崎線西新井駅西口を出て少し行くと関原通りという細い道に出た。
レンガの敷き詰められた通りを進んで行くとチラホラと商店が表れて来る。
さらに先へ進むとレンガは緩やかに左に曲がり、
そこに「関原通り」と大きく記されたモニュメントが表れた。
モニュメントには可愛らしい恐竜のキャラクターも描かれている。
ここは関原不動商店街。
前回、前々回に引き続き今日もお不動様に由来する商店街だ。
もちろん通りには、宝徳元年開山の関原山不動院大聖寺がある。
商店街には肉店、魚店、青果店の生鮮三品の他、洋品店、
酒店、書店など、様々な個店がシャッターを上げている。
以前は子供向けにもんじゃ焼きもやっていたアサミヤには、
スモモやアンズなどの懐かしい駄菓子が並ぶ。
精肉店のヒルマでは、女将さんが大きな肉の塊に
タコ糸を巻いて人気の焼豚を作っている。
天ぷら店宮崎の前を通ると常連客が
「商店街にここの天ぷらの匂いが無いと物足りないのよ」と話している。
食料品店三竹屋では90歳を超えた女将さんが
小豆やうずら豆を店先に並べている。
国井青果店の糠床に眠る胡瓜や蕪や茄子などを求めて遠くから来る常連がいる。
関原不動商店街には、街に無くてはならない店たちがいる。
小玉酒店の自販機ではビールやワンカップと並んでホッピーが売られていた。
きっとホッピーが無くてはならない街の人がいるのだろう。
関原不動商店街を後にして、
西新井駅に戻ろうと関原通りを歩いていると立派な看板が目に入ってきた。
看板には「ひらさわ呉服店」と大きな文字が書かれている。
店に入ると二代目の店主が快く迎え入れてくれた。
看板に惹かれて来たのだと告げると、
戦後すぐに建てられた東京の店々はバラック建てだが、
通りに面した看板はライオンのたてがみのように立派に作ったので、
ライオン看板と言うのだと教えてくれた。
火災に遭った時も、このトタンの看板だけは焼け残ったそうだ。
店には着物で作ったスカジャンやアロハシャツなど、
オリジナル商品がたくさん並んでいる。
二階に上がると様々な着物や帯、反物と一緒に七五三の祝着が飾られていた。
店主によると五歳のお祝いは着袴の儀と言い、
男の子が初めて袴を付ける日で、その際には男親が袴を穿かせるそうだ。
紬やちぢみなどの生地の話、織ったり仕立てたりする職人の話、
以前営業していた信州白馬の古民家民宿や列車のカフェの話、
生い立ちなどを聞かせてもらい、あっという間に2時間以上が過ぎていた。
西新井に行ったら、店主の平澤建二さんに会いに行くと良い。
世の中、知らないことだらけだということを教えてくれる。
聡明で博学で優しい人だ。
商店街には良い出会いがある。
一街一会だ。
これも不動明王のご利益かな。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • アサミヤ

    アサミヤ

    「麩菓子」「FELIXのガム」「ココアシガレット」「モロッコ」、冷凍庫には「すもも漬」「あんずボー」「メロンボール」たちがギッシリ並ぶ駄菓子店。駄菓子に交じって店には「ポーチ」や「タオルで作ったくま」など、三代目が手作りした手芸品も売られている。店は子どもたちが学校から帰ってくる夕方になると忙しくなる。それ以外の時間、店主は手芸品を作りながら子どもたちを待っている。

    アサミヤ

    アサミヤ アサミヤ

    「麩菓子」「FELIXのガム」「ココアシガレット」「モロッコ」、冷凍庫には「すもも漬」「あんずボー」「メロンボール」たちがギッシリ並ぶ駄菓子店。駄菓子に交じって店には「ポーチ」や「タオルで作ったくま」など、三代目が手作りした手芸品も売られている。店は子どもたちが学校から帰ってくる夕方になると忙しくなる。それ以外の時間、店主は手芸品を作りながら子どもたちを待っている。

  • 肉のヒルマ

    肉のヒルマ

    国産A5ランクの肉が並ぶ精肉店。店を訪ねると、店主が忙しそうにイカやアジのフライを揚げていた。ショーケースにはコロッケやメンチや串カツなども並んでいる。中でも人気は手作りの焼豚とギョーザだ。年の瀬には100本からの焼豚を作る。60年以上注ぎ足したタレで作られる逸品を求めて遠くから訪れる常連も多い。ご主人が亡くなってから一人で店を切り盛りする女将さん、永遠に美味しい焼豚を作ってください。

    肉のヒルマ

    肉のヒルマ 肉のヒルマ

    国産A5ランクの肉が並ぶ精肉店。店を訪ねると、店主が忙しそうにイカやアジのフライを揚げていた。ショーケースにはコロッケやメンチや串カツなども並んでいる。中でも人気は手作りの焼豚とギョーザだ。年の瀬には100本からの焼豚を作る。60年以上注ぎ足したタレで作られる逸品を求めて遠くから訪れる常連も多い。ご主人が亡くなってから一人で店を切り盛りする女将さん、永遠に美味しい焼豚を作ってください。

  • ひらさわ呉服店

    ひらさわ呉服店

    立派な看板に惹かれて入った呉服店。店には黒留袖で作ったスカジャンや浴衣で作ったアロハシャツ、着物生地を使ったバッグや名刺入れなどのオリジナルKENGブランドが並んでいる。KENGは二代目店主 平澤建二さんの名前からだ。二階に上がると高価な着物や帯、反物が所狭しと並んでいた。鮮やかな七五三の祝着は眩しく、大人の着物や帯は艶やかだ。さりげなく置かれた大島紬の色合いは落ち着きがある。立派な看板に誘われて、着物の多彩さに気づかされた。

    ひらさわ呉服店

    ひらさわ呉服店 ひらさわ呉服店

    立派な看板に惹かれて入った呉服店。店には黒留袖で作ったスカジャンや浴衣で作ったアロハシャツ、着物生地を使ったバッグや名刺入れなどのオリジナルKENGブランドが並んでいる。KENGは二代目店主 平澤建二さんの名前からだ。二階に上がると高価な着物や帯、反物が所狭しと並んでいた。鮮やかな七五三の祝着は眩しく、大人の着物や帯は艶やかだ。さりげなく置かれた大島紬の色合いは落ち着きがある。立派な看板に誘われて、着物の多彩さに気づかされた。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・足立区関原2丁目46

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