田原町
銀座線 田原町駅

菊水通り商店街

商店街一覧

街灯を探しながら、無頼派が歩いたミチを行く。

今日来たのは浅草駅一つ手前の田原町。
改札を出て狭く急な階段を上ると目の前にあるのは国際通り。
アーケードの歩道を歩く人の多くは海外からの旅行者だ。
国際通りを北へ少し行くと雷門一丁目の交差点が出てきた。
交差点を右折した先には浅草寺総門の雷門がある。
人いきれを避けるために
交番を左に曲がり一方通行の通りへ入って行く。
雷門へ向かう通りほどではないが、
ここにも青い目の旅行者たちが物見遊山で歩いている。
通りを少し進むと丁度シャッターを上げている最中の店があった。
早速、店主に声をかけてみる。
「YAYOI」はベビーウェアなどを扱う洋品店。
中でもベビーウェア、よだれかけ、
哺乳瓶などでデコレーションした「おむつケーキ」は
他ではお目にかかれない逸品。
赤ちゃんのお祝いなどにはもってこいの商品だ。
店主に聞くと、通りは「菊水通り」という商店街だったのだが、
もう解散して今年の初めに街路灯なども撤去したとのこと。
外国人がたくさん行き交う所でも
普通の商店街として生き残ってゆくことは難しいようだ。
先に進むと通りに目立つのは飲食店。
新しい店が多いのだが一角にスナックが密集するビルがあった。
ビルには古の浅草の匂いが残っている。
インバウンドとは無縁の佇まいだ。
扉には「会員制」と記されている。
一見は入れない。
さらに歩いて行くと通りの片側に続くのは東本願寺の石垣。
見上げる本堂の瓦の黒は春の日差しを白く照り返している。
石垣の先、菊水通りの終わりは「かっぱ橋道具街」だ。
菊水通りを戻って行くと
お好み焼き店の「染太郎」が暖簾を出すところ。
店の黒い板壁と木の引き戸、錆びたトタンは相変わらずだ。
染太郎は坂口安吾が贔屓にした店。
安吾の「青春論」にはこの店が登場する。
何度が訪れたことがある店には
安吾の色褪せた色紙が飾ってあったと記憶している。
彼の代表作の一つは「堕落論」だ。
このミチには甘く切ない思い出がある。
懐かしさを噛みしめながら歩いていると
ふいに耳の奥に甲斐よしひろの声が響いてきた。
♪翳りのある愛にはジンが似合うと胸しめつけられる夜さ
本気の笑顔が愛しくて胸いっぱいの夜さ♪・・・安吾先生、
あの頃はどこまでも堕ちて行ければと思っていたけれど、
人間堕ち切ることはなかなか難しいものですね。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・台東区西浅草

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