三越前
銀座線 三越前駅

日本橋北詰商店会

商店街一覧

街の容貌は変わっても、江戸の心意気はそこかしこ。

日本橋は日本橋川に架かる橋で、
国道1号や国道4号などの主要な道の起点だ。
日本橋を通る中央通りを北に進んですぐにあるのが
日本橋北詰の交差点。
通りの西側には「三越日本橋本店」があり、
東側には大小のビルが林立している。
今日訪れた商店街「日本橋北詰商店会」は、この一帯に広がっている。
三越日本橋本店は1673年に
呉服店の越後屋として創業したのが始まり。
今も入り口に大きく「店服呉越三」の文字が躍っている。
中央通りには1849年創業の「山本海苔店」や
1834年創業の「千疋屋総本店」など、老舗の店舗が暖簾を掲げている。
複合型商業施設「コレド室町1」と
「コレド室町3」の間の通りは江戸桜通り。
洒落た名前に惹かれて通りに入って行くと
「つくだ煮 日本橋 貝新」の幟が風に揺れていた。
中に入ってショーケースを覗くと、
昆布、川海老、たらこ、小柱、松坂牛肉など、
様々な佃煮が美味しそうに並んでいる。
日本橋に店を構えてからも130年以上なのだが、
それ以前、1596年に三重県の桑名でしぐれ煮を作り始めたのが最初だ。
店の人気は桑名発祥だけあって蛤と浅利の佃煮。
写真を撮っている間にも客が一人二人と佃煮を求めにやって来た。
貝新を出て通りを東へ。
少し歩くと眼鏡店がシャッターを上げていた。
「メガネのナカヤ」の暖簾を守るのは三代目と四代目候補?の娘さん。
店内にはお洒落なメガネフレームが並んでいる。
三代目に話を聞くと店がある室町地域は
江戸時代には魚河岸があった場所とのこと。
海苔店や佃煮店があるのはその名残りらしい。
江戸桜通りを挟んだ向かい側は薬問屋が集まっていた地域。
今でもアステラス製薬や第一三共、
興和などの製薬会社のビルが建っている。
さらに近所にある町鳶の小泉組は
江戸町火消し一番組の「い組」を継承しているとのことだ。
建物は新しくなったが日本橋北詰地域には江戸時代の息吹が残っている。
ナカヤの店主に教えてもらい、昭和通りの向こうに歩みを進める。
少し行ったところに団扇と扇子の店「伊場仙」があった。
伊場仙の創業は1590年。
店内には扇子や団扇が煌びやかに並んでいる。
伊場仙は江戸時代には浮世絵の版元でもあった店だ。
昭和通りに面してあるのは1653年創業の「小津和紙」。
こちらでは和紙の販売はもちろん、2階3階はギャラリーになっている。
入館無料のプチ美術館だ。
東京メトロ三越前駅に戻る道すがら、
コレド室町1の横に赤い鳥居を見つけた。
鳥居の額には「福徳神社」と記されている。
この神社は貞観年間(859-877年)に創建された古い社だ。
日本橋北詰商店会、
装いは新しいが歴史ある店の魂が連綿と息づく稀有な商店街だ。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・中央区日本橋室町1丁目

コメント

*が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

トップへ
街てく。