街てく。 | 今日も、ぶらっと商店街

西巣鴨

都営三田線　西巣鴨駅

宮元商店会

商店街一覧

東京メトロ三田線の西巣鴨駅から
国道17号（中山道）をさいたま方面へ歩く。
明治通りを渡り頭上の首都高速を見上げる。
ビルと高速の狭間には雲一つない一月の青空がある。
先へ進むと「滝野川五丁目」の交差点。
国道17号を挟んで左右に形の異なる街路灯があった。
今日は右側の商店街へ。
商店街の入り口はY字路になっている。
まずはY字路を左へ入って行く。
細い通りに立つ街路灯を見ると「ショッピングモロードみやもと」
と記されたスチールのプレートが架かり、
フラッグには「ふれあいの街宮元商店街」と書かれている。
街路灯の柱には「宮本商店会」の文字。
うむ？正式な名称はどれなのか。細かいことは気にせずに先へ進む。
初めて訪れた街なのだが、古い家屋も残っていて懐かしさを感じる。
懐かしさと比例して通りには
シャッターを下ろしたままの店舗が目立つ。
蕎麦店と中華料理店が営業しているが、
こちらの通りに物販の店は見当たらない。
街路灯の終わりの先は下り坂になっている。空が少し広がった。
Y字路に戻り右側の通りを進んで行く。
商店街の入り口では和菓子店がシャッターを上げている。
こちらの通りでは他にパン店と青果店が店を開けていた。
店先の樽に入った蕪と大根の糠漬けに惹かれて
青果店に入ってみた（僕は糠漬けが大好きなのです）。
店の屋号は「八百繫」。
三代目ご夫妻が気さくに出迎えてくれた。
新鮮な野菜と果物はもちろん、
店の人気は女将さんが毎日手作りする惣菜たち。
朝早くにポテトサラダ、南瓜煮から作り始め、
昼前には10品以上の総菜が客を待つ。
今年は野菜や果物が空前の高値なのだが総菜の価格は据え置き。
安くて美味しい手作り総菜のファンは多い。
Y字路の入り口にある和菓子店「三好」の店先には餅が並んでいる。
海産物の海鼠に形が似ている生子餅もある。
店を守るのは三代目ご夫妻。
菓子を作る手を休めて話をしてくれた。
三好の創業は80年以上前。
店の斜め前の家には以前、女優の倍賞千恵子さんご家族が住んでいて、
倍賞さんが映画「男はつらいよ」に出演する際には、
団子屋の娘役なので親父（二代目店主）に
色々と話を聞きに来たそうだよと三代目が教えてくれた。
壁に貼られたオリジナルポスターを見ると
倍賞さんと二代目夫妻が笑う小さな写真があった。
店を出る時、駅からも遠いこの地に商店街がある理由を聞くと、
昔は中山道を都電が走り、
目の前の滝野川五丁目交差点には停車場があったそうだ。
なんと宮元商店会は駅前商店街として賑わっていたのだ。
都電が地下鉄に変わっても、
一月の空の下でがんばる店主たちの優しさは変わらない。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

商店街。ひと、もの、あじ

八百繫

店には三代目が毎朝4時半に近所の豊島市場から仕入れて来る新鮮な野菜と果物が並ぶ。今年は青果の価格が驚くほど高く、中でもミカンはこれまでにない高値とのことだ。それでも確かな美味しさを求めてミカンを箱買いしていく常連も多い。八百繫では手作り総菜も人気の的。女将さんが手づくりする南瓜、蕗、里芋などの煮物や天婦羅など10品ほどの総菜が毎日店に並ぶ。美味しさと共に安さにも驚きだ。

八百繫

店には三代目が毎朝4時半に近所の豊島市場から仕入れて来る新鮮な野菜と果物が並ぶ。今年は青果の価格が驚くほど高く、中でもミカンはこれまでにない高値とのことだ。それでも確かな美味しさを求めてミカンを箱買いしていく常連も多い。八百繫では手作り総菜も人気の的。女将さんが手づくりする南瓜、蕗、里芋などの煮物や天婦羅など10品ほどの総菜が毎日店に並ぶ。美味しさと共に安さにも驚きだ。
三好

80年以上続く和菓子店の暖簾を守るのは三代目。店に並ぶ和菓子は煎餅類の他は全て手作り。中でも人気はどら焼き。店先には餅も並んでいる。四角い切り餅の横には手作りの餡もある。海産物の海鼠に形が似ていることから命名された生子餅は、のり、ごま、えび、まめ、の4種類。店の脇に一際大きな生子餅が並んでいた。聞くと暮れに販売した大きな鏡餅を生子餅にしているとのこと。売ったらお終いではないのだ。こんな心遣いも三好が長く続く理由の一つだろう。

三好

80年以上続く和菓子店の暖簾を守るのは三代目。店に並ぶ和菓子は煎餅類の他は全て手作り。中でも人気はどら焼き。店先には餅も並んでいる。四角い切り餅の横には手作りの餡もある。海産物の海鼠に形が似ていることから命名された生子餅は、のり、ごま、えび、まめ、の4種類。店の脇に一際大きな生子餅が並んでいた。聞くと暮れに販売した大きな鏡餅を生子餅にしているとのこと。売ったらお終いではないのだ。こんな心遣いも三好が長く続く理由の一つだろう。