大森
京浜東北線 大森駅

山王三番街

商店街一覧

大森の改札を抜けると雪降る温か商店街だった。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」
「月に吠える、それは正しく君の悲しい心である」
これは川端康成の「雪国」と萩原朔太郎の「月に吠える」の一節だ。
大正末期から昭和初期にかけて山王・馬込には川端や朔太郎など、
多くの文士や芸術家が住み馬込文士村と呼ばれた。
その山王にあるのが、山王三番街。
JR大森駅西口を出て池上通りを南にしばらく歩くと見えてくる商店街だ。
「駅の改札を抜けると雪が降っていた」大粒の雪が出迎えてくれた。
池上通りに面した商店街はアーケードに覆われていて、
降りしきる雪から道行く人々を守っている。
通りには明治時代から続く店も多く残っている。
往年の文士たちも顔を出した店かもしれない。
嬉しいのはそれらの老舗を若い四代目、
五代目たちが元気に守っていることだ。
商店街を運営している店主たちに話を伺って
一番感じたのはみんなの仲の良さと繋がりの強さだ。
商店街の活性化のためにみんなが一緒に汗を流している。
昨年8月の「真夏の雪まつり」では
商店街にある大型店ドン・キホーテの屋上に雪を降らせた。
他に無いイベントをと商店街の人たちが知恵を出し合って
山王三丁目町会と共催で実施したイベントは大盛況。
今年も8月初旬に開催を予定している。
商店街は地域の神社の祭りや寺のお会式などにも
積極的に参加している。
街と溶け合った商店街なのだ。
地域に無くてはならない商店街だからこそ
100年以上続く店舗が残っているのだろう。
店のご主人たちはみんな、
フラリと立ち寄った一見の僕を快く迎え入れてくれた。
お店のこと、商店街のこと、街のことを丁寧に教えてくれた。
雪の降る寒い中、商店街の人たちの温かな優しい人柄に触れた。
重い雲の向こうに隠れている「月に笑いかけたい」気持ちになった。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 越松屋

    越松屋

    大正時代から続く呉服店。今は三代目の女将さんが店を守っている。呉服以外に和装小物も取り揃えていて、人気は女将さんが着物の端切れで手作りしている御朱印帳ケース。店の奥に目を凝らすとベイシティローラーズのポスターが数枚貼られている。女将さんは洋楽好きで根っからのベイシティローラーズファン。特にイアン・ミッチェル好きなのだ。この和と洋のコントラストが素敵なお店。

    越松屋

    越松屋 越松屋

    大正時代から続く呉服店。今は三代目の女将さんが店を守っている。呉服以外に和装小物も取り揃えていて、人気は女将さんが着物の端切れで手作りしている御朱印帳ケース。店の奥に目を凝らすとベイシティローラーズのポスターが数枚貼られている。女将さんは洋楽好きで根っからのベイシティローラーズファン。特にイアン・ミッチェル好きなのだ。この和と洋のコントラストが素敵なお店。

  • サイクルポイントナカネ

    サイクルポイントナカネ

    来年のオリンピックイヤーに100周年を迎える自転車店。三代目のお父さんと四代目の兄弟、お母さん、お嫁さんたちで店を切り盛りしている。商店街には自転車店が複数あるのだがサイクルポイントナカネは街の老舗の自転車店として人気を博している。その秘密はアフターサービスの良さと家族の人柄。お爺ちゃんからそのお孫さんまで常連になっているお客も多い。三代目いわく「うちは安心も売っているんですよ」。至言である。

    サイクルポイントナカネ

    サイクルポイントナカネ サイクルポイントナカネ

    来年のオリンピックイヤーに100周年を迎える自転車店。三代目のお父さんと四代目の兄弟、お母さん、お嫁さんたちで店を切り盛りしている。商店街には自転車店が複数あるのだがサイクルポイントナカネは街の老舗の自転車店として人気を博している。その秘密はアフターサービスの良さと家族の人柄。お爺ちゃんからそのお孫さんまで常連になっているお客も多い。三代目いわく「うちは安心も売っているんですよ」。至言である。

  • インテリア沼田

    インテリア沼田

    明治13年創業のインテリアショップ。主な商品はオーダーメイドのカーペットとカーテン。山王という土地柄、上質な品物が店を飾っている。創業時は畳店として商いを始めたが四代目が50年ほど前にインテリアショップに改めた。今は五代目が中心となって店を盛り立てている。四代目の喜びは毎朝シャッターを開けられること。永遠にシャッターを開け続けてほしいお店だ。

    インテリア沼田

    インテリア沼田 インテリア沼田

    明治13年創業のインテリアショップ。主な商品はオーダーメイドのカーペットとカーテン。山王という土地柄、上質な品物が店を飾っている。創業時は畳店として商いを始めたが四代目が50年ほど前にインテリアショップに改めた。今は五代目が中心となって店を盛り立てている。四代目の喜びは毎朝シャッターを開けられること。永遠にシャッターを開け続けてほしいお店だ。

  • alleviare あれびあれ

    alleviare あれびあれ

    ミシンのレンタルスペースもしている雑貨屋さん。去年の11月に開店した生まれたてのお店だ。他では見かけない商品が「バイオリンのあご当てカバー」。バイオリンを趣味にしている店主が店の奥にあるミシンで一つ一つ手作りしている。子どもからプロのバイオリニストまでが愛用する逸品である。店に並んでいる商品の多くは音楽に関連しているものが多い。小さなお店には店主のこだわりが詰まっている。

    alleviare あれびあれ

    alleviare あれびあれ alleviare あれびあれ

    ミシンのレンタルスペースもしている雑貨屋さん。去年の11月に開店した生まれたてのお店だ。他では見かけない商品が「バイオリンのあご当てカバー」。バイオリンを趣味にしている店主が店の奥にあるミシンで一つ一つ手作りしている。子どもからプロのバイオリニストまでが愛用する逸品である。店に並んでいる商品の多くは音楽に関連しているものが多い。小さなお店には店主のこだわりが詰まっている。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・山王三番街 大田区山王3-23-3

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