等々力
東急大井町線 等々力駅

楽ちん堂

商店街一覧

花にも人にも陽だまりが要る。

東急大井町線の等々力駅から多摩川へ向かって歩いた。
3月の初めなのに暖かな日差しが心地良い。
23区で唯一の渓谷である等々力渓谷の深い緑を見ながら、
環八通りを渡り先へ進む。
15分程も歩いただろうか。
通りの先に多摩川の土手が見えてくる頃、
目的地の「楽ちん堂」に到着した。
今日は商店街ではなく、「特定非営利活動法人ら・ら・ら」
が運営するコミュニティカフェへの訪問だ。
木の看板に確りとした手書きの文字で「楽ちん堂CAFE」。
開け放たれているドアから覗くと、
真ん中に大きなテーブル。
天井に吊るされた様々なドライフラワー。
書棚には沢山の本。
数人の子供と大人が椅子に座ってお喋りをしている。
テーブルには美味しそうな料理の数々。
みんな思い思いに手を出している。
扉の前で佇んでいると若い男性が招き入れてくれた。
男性は理事の辻さん。
僕もテーブルに着いて辻さんに話を聞いた。
楽ちん堂は、不登校の子供や障害を持った人、彼らの保護者、
一人暮らしのお年寄りたちが気ままに集い食事をしたり、
勉強したり、お喋りをする場だと教えてくれた。
決まり事は無く、誰でも来たい時に来て、帰りたい時に帰る。
泊まったっていい。
時には普通の喫茶店と思ってお茶をしに来る人もいる。
24時間365日、扉は開いている。
利用者の少年がコーヒーを淹れてくれた。
その姿を白髪の目のクリッとした丸顔の女性が笑顔で見ている。
理事長の森田清子さんだ。
淡いピンクのセーターを着た少女が扉から入って来るなり
清子さんの元に来て嬉しそうにしている。
清子さんは、人は支えて、支えられているのだと話してくれた。
少女はもちろん、清子さんも少女の笑顔に支えられているのだろう。
話を聞いている最中も老若男女、様々な人が訪れてくる。
僕も3時間近くお喋りしている。
居心地が良いのだ。
楽ちん堂に居ると胸の奥の方がほんのりと温かくなる。
帰りに多摩川の河川敷へ寄った。
陽だまりの中、河原には小さな花が咲いていた。
楽ちん堂も、集う人たちにとって無くてはならない陽だまりだ。
 
「楽ちん堂」ホームページ

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・〒158-0092 東京都世田谷区野毛2丁目28−23

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