浅草
つくばエクスプレス 浅草駅

一葉桜小松橋通り共栄会

商店街一覧

浅草の静かな路地の奥に職人気質が生きていた。

今日は浅草寺の北側。
奥浅草へ来た。
つくばエクスプレスの浅草駅を出て、
国際通りをしばらく北へ進むと五差路が出てくる。
斜め右の道へ入り少し行くと酒店があり、
店の近くの案内板には「一葉桜・小松橋通り」と記されている。
酒店の「板倉屋」には女将さんの姿と冷蔵ケースが見える。
太陽から逃れようと、
優しそうな女将さんと冷えたビールに魅かれて中に入った。
聞いてみると、ここ「板倉屋」から千束通りまでが
「一葉桜小松橋通り共栄会」という商店街だそうだ。
以前は様々な店が軒を連ねる商店街だったが、
今は寂しくなってしまったと話してくれた。
通りを進んで行くと銭湯があった。
さらに先には豆富店がシャッターを上げていた。
「大宮とうふ店」の中では真白い豆腐が涼しげに水に浸かっている。
通りの街路樹は一葉桜とういう八重桜で、
春には満開の桜が通りを眩く彩るのだと豆腐店の主人が教えてくれた。
今度は桜の季節に訪れて冷奴でビールをゴクリとやらなくては・・・。
通りの中程の路地の奥に
「洗張り 丸生洗い 染もの しみ抜き」の幟が揺れていた。
「田中染色」の引き戸を開けると
中では二代目と三代目が仕事の真最中だ。
壁には神棚があり大きな熊手が飾られている。
二代目に聞くと店は染み抜きなどの
和服の修繕を商いにしているとのことだ。
職人が少なくなったので
「田中染色」の顧客は個人から寺社やホテルまで幅広い。
一人前になるには十年はかかるそうだが、
二代目は三代目になる娘さんを三年で仕込むのだと笑っている。
令和の今、浅草の奥で新しい職人が育っている。
朗らかで明るい娘さんは
顧客から好かれる腕の良い職人になるに違いない。
帰りに遊郭跡を通って一葉記念館まで足をのばしてみた。
「たけくらべ」は、この地域の物語だ。
樋口一葉なら今の奥浅草でどんな物語を紡いでくれるのだろう。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・台東区浅草11

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