大門
都営大江戸線 大門駅

芝神明商店会

商店街一覧

軍艦マーチは消えても、文豪も愛した味がある。

都営地下鉄の大門駅を出ると目の前を通るのは増上寺の参道。
近くに見えるのは増上寺の総門である大門だ。
大きな赤い門の奥には東京タワーが凛と立っている。
参道の脇道に神社の屋根を模したアーチがある。
アーチには「芝神明商店街」と書かれている。
今日の目的の商店街は、ここ「芝神明商店会」。
早速アーチを潜って商店街がある通りへ入って行く。
商店街に目立つのは飲食店。
昼時なので店先でお弁当を販売している店舗も多い。
一際目立つ黄色いビルに魅かれて近づくと、
サンシェードに「Tokita Stationary Inc. 土木田商会」
と記されている。
中に入ると四代目の女性店主が出迎えてくれた。
店は明治創業で140年の歴史がある文具店とのこと。
近隣のオフィスや店舗が主な顧客なのだが、
近頃は海外からの旅行者もふらりと店に入って来るらしい。
なるほど、入り口近くに
東京タワーや浮世絵などの絵葉書が置いてあるのも納得だ。
少し先に行くと通りは芝大神宮の参道と交差する。
参道の奥に芝大神宮の鳥居と社殿が見える。
お参りは後にして商店街を先へ進む。
少し行くと客が頻繁に出入りする店があった。
店は和菓子店の「芝神明榮太樓」。
接客の邪魔にならないように店の人に話を聞いた。
店は日本橋にある榮太樓總本鋪の暖簾分けで、
明治18年創業とのこと。
店先には赤い缶の「梅ぼ志飴」や
緑の缶の「抹茶飴」などが売られているのだが、
客たちの多くが購入しているのは最中。
鮑や蛤など五つの貝殻の形をした皮の中に
粒餡や白餡など五種類の餡を詰めた芝神明榮太樓オリジナルの最中、
その名も「江の嶋」だ。
「江の嶋」の名付け親は明治の文豪尾崎紅葉。
「来年の今月今夜、この月を僕の涙で曇らせてみせる」の名台詞も
「江の嶋」を頬張りながら生まれたのかもしれない。
さらに先に進むと青果店がシャッターを上げていた。
八百栄深瀬商店も75年の歴史を持つ店だ。
店主に聞くと昔は生鮮三品はもちろん、様々な物販の店があり、
先は新橋まで店舗が連なっていたのだが、多くは企業が入るビルになり
店舗も飲食店が多くなったのだと話してくれた。
僕は以前、商店街のすぐ近くの
世界貿易センタービルに入っていた団体に勤めていたことがある。
実はこの商店街もよく訪れていた。
買い物や食事というより、
会社帰りや時々就業中にパチンコをしに来ていたのだ。
青果店の店主に聞くとパチンコ店はホテルに変わってしまったとのこと。
ううむ残念!今日の散策は打ち止め。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・港区芝大門1丁目16−16

コメント

*が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

トップへ
街てく。