白山
都営三田線 白山駅

白山下商店会

商店街一覧

路地の石畳に艶やかな花柳界の面影が微かに残る。

今日訪れたのは都営三田線の白山駅。
駅の階段を上り地上に出ると目の前にあるのは旧白山通り。
旧白山通りの緩やかな坂を下って行く。
坂の途中の青果店は多くの買い物客で賑わっている。
この辺りから始まる商店街が「白山下商店会」だ。
坂の終わりは白山下の交差点。
商店街は交差点を斜め左に入る一方通行路へと続いている。
通りを進んで行くと、
店先の黒板に「本日あります!季節のフルーツサンドイッチ」
と大きく書かれた店が現れた。
「はとや」では弁当やサンドイッチ、惣菜を販売しいている。
フルーツサンドイッチは店の人気商品だ。
店主に聞くと店は朝の6時過ぎからシャッターを開けているそうだ。
通りに「防火 指ヶ谷町会」
と書かれた提灯が下がっていたので聞いてみると、
白山一丁目界隈の旧町名が指ヶ谷町なのだと教えてくれた。
店を出て少し先の交差点を左に折れると海苔店があった。
「山口海苔」では寿司店などに海苔を卸しているのだが、
小売りもしている。
寿司店が使う海苔なら美味しさは保証付きだ。
元の通りへ戻ると渋い暖簾が下がった店舗があった。
暖簾には「そめもの 東屋 しみぬき」と書かれている。
木の引き戸を引いて中に入ると店では女将さんが作業をしている。
女将さんの背中の壁には神棚が設えてある。
女将さんの向かいでは店主がアイロンの準備をしている。
話しかけてみると仕事中なのに快く対応してくれた。
今、女将さんが行っているのは裄直し。
お母さんの着物を娘さんが着られるように袖の長さを調整しているとのこと。
「東屋」は洗い張りの店で向かいに座っている息子さんが三代目。
指ヶ谷町は明治から昭和にかけて花柳界だったので、
昔は芸者さんが主に店の顧客だったのだが、
今は一般の人たちの来店が多く、遠方から店を訪れる人も少なくないそうだ。
昔の「白山下商店会」は生鮮三品の店はもちろん、
花街の商店街なので仕出し屋なども多く、
芸者も歩く賑やかな商店街だったのだと話してくれた。
商店街を歩くと所々に細い路地があり、石畳が敷いてある。
「東屋」の女将さんの話を聞いてから通りを歩くと、
それまで気付かなかったが、街の所々に花柳界の微かな匂いが残っていた。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 東屋

    東屋

    90年続く洗い張りの店。木の引き戸、神棚、その店舗は90年の時を刻んだ趣ある佇まいだ。店の暖簾を守るのは三代目とお母さん。昔は商店街の界隈は花柳界だったので、当時は芸者さんなどが主な顧客だったそうだ。今は常連客の他、洗い張りの店の減少と共に遠くから店を訪れる人も増えているとのこと。きっと、三代目とお母さんの人柄に魅かれて来る人も少なくないのだろう。

    東屋

    東屋 東屋

    90年続く洗い張りの店。木の引き戸、神棚、その店舗は90年の時を刻んだ趣ある佇まいだ。店の暖簾を守るのは三代目とお母さん。昔は商店街の界隈は花柳界だったので、当時は芸者さんなどが主な顧客だったそうだ。今は常連客の他、洗い張りの店の減少と共に遠くから店を訪れる人も増えているとのこと。きっと、三代目とお母さんの人柄に魅かれて来る人も少なくないのだろう。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・文京区白山1丁目33−8

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