曙橋
都営新宿線 曙橋駅

あけぼのばし商店街

商店街一覧

春はあけぼの、やうやう赤くなりゆく大福。

春のあたたかさに誘われて、都営新宿線曙橋へ来た。
駅の階段を上がると目の前には靖国通り。
少し歩くと余丁町通りがある。
その脇道に「あけぼのばし通り」と記された
立派なアーチが架けられている。
アーチを潜り進んで行くと、書店、洋品店、文具店、
生花店、金物店などの物販の個店が店を開いていた。
蕎麦、イタリアン、中華、
ハンバーガーなどの多様な飲食店も軒を連ねている。
通りの先には東京女子医科大学の大きな建物が見える。
商店街にはクリニックや歯科、接骨院など医療機関も多い。
ここ、あけぼのばし商店街は衣食住ならぬ医食住が豊かな商店街だ。
靖国通りは車の往来が激しく、
行き交う人たちも忙しなく歩いていたが、あけぼのばし通りは、
心なしか通りを行く人ものんびりと歩いているようだ。
新宿という大繁華街のすぐ近くに、
こんなに落ち着いた商店街があるのは不思議だし、何より喜ばしい。
想像するに、今は無くなってしまったが、
以前は肉店や魚店も商いをしていたのだろう。
時代と人が移り行き、
あけぼのばし商店街に対するニーズが変わって来たのだ。
物販の個店、特に生鮮三品の店が好きな僕には寂しいが、仕方のない事だ。
忘れてはいけない事が一つ。
あけぼのばし商店街には、
いちご大福を日本で初めて製造販売した和菓子店「大角玉屋」がある。
ご主人の都合がつかずに話を聞くことは出来なかったが、
写真を撮らせてもらった。
販売当初は物珍しさが先立っていたであろういちご大福は
今や和菓子の定番商品になっている。
甘酸っぱい苺を包んだ餡と豆餅の絶妙のハーモニーはもちろん、
僕は溢れ出る果汁の瑞々しさが大好きだ。
白い大福の中に赤い苺が入っている彩りは、目にも美味しい。
40年近く前、
小さな商店街の和菓子店から日本中に広がっていった奇跡の美味しさ。
資本力が何だ、マーケティングが何だ。
想像力を駆使して地道に続けてきたからこそ、
いちご大福は生まれたんだと僕は思う。
商店街の、個店のチカラは大したものなのだ。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・新宿区住吉町8−5

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