牛込神楽坂
都営大江戸線 牛込神楽坂駅

牛込中央通り商店会

商店街一覧

江戸から続く町の名と明治から続く店がある。

都営地下鉄大江戸線の牛込神楽坂駅の階段を上って行く。
出口を見上げると雲の間から青空が顔を出している。
地上に出ると目の前には大久保通り。
通りを新宿方面へ少し歩くと牛込北町の交差点がある。
交差する通りは牛込中央通りだ。
通りに立つのは黄色い街路灯。
柱には「牛込中央通り商店会」の文字。
街路灯が並ぶ通りを外堀通りへ向かって歩いて行くと
「秋です 栗万十」の看板を店先に出す和菓子店を発見。
明治31年創業の船橋家の店主は四代目。
店の人気は豆大福。
紅茶味の「ダージリン万十」や「いちごみるく万十」などの
個性豊かな菓子もショーケースに並んでいる。
先に進むと「創業明治参拾年 升本酒店 新宿 納戸町」
と記された看板を掲げる酒店があった。
店先ではバイクに酒を積んで今から配達に向かう人の姿が。
中に入ると店主が快く出迎えてくれた。
升本酒店の暖簾を守るのは四代目と五代目。
配達に向かったのは息子さんの五代目。
四代目に話を聞くと店の売りは日本酒とのこと。
なるほど棚には様々な日本酒が並んでいる。
新潟や静岡などの酒蔵から直接仕入れている地酒も多い。
看板に書かれた納戸町のことを訊ねると、
江戸時代この地域には幕府の役人たちが住んでいて、
納戸町には将軍の財産の出納や、
大名などからの献上品を扱う御納戸という
役職の侍が住んでいたそうだ。
通りに出て街路灯を見ると「牛込中央通り商店会」と共に
「納戸町」の文字が記されている。
街路灯を注意深く見て行くとブロック毎に
「細工町」や「北町」などと町名が書いてある。
調べてみると江戸城内の建物や道具を
制作・修理するのが御細工という役職。
北町は江戸時代までは牛込北御徒町と呼ばれていて
御徒組の屋敷があった地域。
他にも「箪笥町」や「払方町」など、
江戸幕府の様々な役職の名がついた地域が
今でも街路灯に書かれた町名として残っている。
街路灯を見上げると、いつの間にか雲が流れて空が高い。
100年以上前のこの街では、
腰に刀の人たちがこんな秋空を見上げていたんだな。

牛込【うしごめ】
◎牛込文書によると、室町時代から牛込郷の名が出ている。
牛込は、牛の牧場があったところから名がついた地名。
込とは、「多く集まる」という意味。
8世紀、大宝律令により設けられた牧場のうち、
神崎牛牧という名の牧場がこのあたりにあったという。
天文24年(1555年)、後北条氏に属した大胡勝行が
牛込の地名から牛込氏を名乗り、牛込城を築いた。

下級武士の名称が地名になった理由は何だったのでしょう。
それらの組織は御徒組と呼ばれ、
組屋敷が下谷(現在の台東区)と牛込(同新宿区)にありました。
明治になって付けられた「御徒町」は、
下谷の組屋敷が置かれた場所を表した地名です。
 徒組は非常時に際して江戸城に駆け付ける役割だったため、
組屋敷は江戸城近くに配置されていました。全部で20組あり、
各組の構成は徒頭1人、組頭2人、徒士番28人。
本丸に15組、西丸に5組が編成され、総勢600人が交代制で勤めていました。
 一方、牛込御徒組屋敷は現在の新宿区北町、中町、南町にありました。
江戸時代には牛込北御徒町、牛込中御徒町、牛込南御徒町と呼ばれていましたが、
明治5年に牛込北町、牛込中町、牛込南町と名称変更。
「御徒町」であったことはすっかり忘れられています。

細工町
御細工同心が
拝領し、町屋敷となった。
御細工とは、江戸城内の建物や道具を制作したり、
修理したりする幕府の役職名だった。

納戸町
御納戸払方同心が拝領したため、この名がついた。
御納戸とは金銀や衣服、調度品など将軍の財産の出納や、大名・旗本からの献上品、
また将軍からの下賜品を扱う役人のことで、払方は下賜品を扱う役職名だった。

箪笥町
この地域には、幕府の武器をつかさどる
具足奉行や弓矢槍奉行組同心が拝領した町屋が存在した。
武器の総称を御箪笥町といい、牛込御箪笥町と呼ばれるようになった。

払方街
払方とは将軍の金品の出納管理を司る御納戸役の内、
下賜金・下賜品を扱う役職

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 船橋家

    船橋家

    四代目が暖簾を守る老舗和菓子店の創業は明治31年。街の人たちに長い間愛され続けている店だ。船橋家では、どら焼き、饅頭、団子などをお手頃価格で販売している。中でも人気は豆大福。僕も土産に栗万十と豆大福を購入。豆大福を頬張った娘は大満足でした!

    船橋家

    船橋家 船橋家

    四代目が暖簾を守る老舗和菓子店の創業は明治31年。街の人たちに長い間愛され続けている店だ。船橋家では、どら焼き、饅頭、団子などをお手頃価格で販売している。中でも人気は豆大福。僕も土産に栗万十と豆大福を購入。豆大福を頬張った娘は大満足でした!

  • 升本酒店

    升本酒店

    白鷹と月桂冠の酒屋看板に挟まれた升本酒店の看板に書かれているのは「創業明治参拾年 升本酒店 新宿 納戸町」の文字。今、店を守るのは四代目と五代目だ。店の売りは日本酒。酒蔵から直接仕入れている地酒も多く、静岡県は三和酒造の臥龍梅などは特約店として仕入れているので他店ではなかなかお目にかかれない一品。

    升本酒店

    升本酒店 升本酒店

    白鷹と月桂冠の酒屋看板に挟まれた升本酒店の看板に書かれているのは「創業明治参拾年 升本酒店 新宿 納戸町」の文字。今、店を守るのは四代目と五代目だ。店の売りは日本酒。酒蔵から直接仕入れている地酒も多く、静岡県は三和酒造の臥龍梅などは特約店として仕入れているので他店ではなかなかお目にかかれない一品。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・新宿区細工町3-16

コメント

*が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

トップへ
街てく。