北千住
日比谷線 北千住駅

千住大門商店街

商店街一覧

珈琲の匂いは、古い悲しさを包み込む。

北千住駅西口を出て日光街道方面へ歩く。
日光街道千住寿町の交差点をさらに西へ。
しばらく歩くと通りは細くなり、
一方通行の道にはレンガが敷かれている。
見上げる街路灯には「おおもん」のサインボード。
「おおもん」の平仮名がちょっぴりキュートだ。
商店街に入ってまず目に飛び込んできたのは
寿司店「双子鮨」の錆びてひしゃげた看板。
その古びた佇まいはかなりのインパクト。
隣にある去年出来たばかりのクレープ店
「ヤマザキクレープ」とのコントラストが際立っている。
実はこの「双子鮨」。
度々メディアにも取り上げられる隠れた名店だ。
人も店も見かけによらない。
この二つの店が隣り合っているところからして、
千住大門商店街はかなり懐が深い商店街のようだ。
少し先にある精肉店「秩父屋商店」の前に
人かと見紛う人形が座っている。
「秩父屋商店」の少し先にある菓子店
「太子堂」の店先にも人形が座っている。
「太子堂」にお邪魔すると店主が
お菓子を袋に詰めていた。
側には黒猫の姿。
店主によると、
昔と比べて人通りが少なくなった商店街を
活気付けるために等身大人型人形を
各店舗の前に置いているそうだ。
成程、通りを見るとあちこちに人形が座っている。
「焼きたてパン 洋菓子 marugiku」の看板に
誘われて入ったのは「マルギクベーカリー」。
店内には様々な調理パンや菓子パン、
ケーキが並んでいる。
パンも菓子も全て自家製だ。
洋菓子のショーケースにシベリアがあるのは、
流石70年の歴史あるパン店だ。
女将さんに人気商品を聞くと
開口一番「アンパン」と即答。
千住大門商店街の終わりにあるのは
和菓子店の「喜田家」。
最中や羊羹など、様々な和菓子が並んでいる中、
お勧めは「黒糖どら焼き 六人衆」。
柔らかい生地のどら焼きの賞味期限は2日間。
手土産にピッタリの逸品だ。
商店街では他に洋品店、生花店などが
シャッターを上げている。
どの個店も60年、70年と
商いを続けている店ばかりだ。
そんな中、大きなガラスの引き戸が目を引く
新しい店舗があった。
店は「Tama Coffee Roaster」。
焙煎珈琲豆の店だ。
店内では常連らしい男性が
店主と話をしながらアイスコーヒーを飲んでいる。
二人の話にお邪魔すると、
店は4年前にオープンした珈琲豆の店で
店主の好みの焙煎はシティローストとのこと。
珈琲豆の販売がメインだが、
店で淹れたコーヒーをテイクアウトもできて、
店には小さなテーブルとスツールがあるので
店内で飲むこともできる。
大門の名が示す通り、
以前、ここには遊郭があった。
面影を探して商店街を横道に入り街を歩いていると、
古いタバコ店を見つけた。
「新井商店」は100年以上続く店で、
女将さんに聞くと店の隣の家も
昔は格子窓の遊郭だったそうだ。
今、当時の建物は皆無で、
全て新しくマンションや住宅に建て替わった。
物見遊山で遊郭の面影を探したが、
昔のことを思い出したくない人も
少なくないに違いない。
街は古い悲しみを塗り潰すために
新しくなっていくのかもしれない。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • Tama Coffee Roaster

    Tama Coffee Roaster

    4年前に千住大門商店街にオープンした珈琲豆の店。少し苦みを感じる焙煎が店主の好みなので、販売する珈琲豆は主に中深煎りから深煎り。店にはブラジルやエチオピアのストレート珈琲とオオモンブレンドやママブレンドなどのブレンド珈琲の豆が10種類以上並んでいる。珈琲豆の販売がメインだが、店で淹れたコーヒーをテイクアウトも可能。さらに店には小さなテーブルとスツールがあるので店内でコーヒーブレイクもOK!さらにさらに自家製マフィンも人気だ。

    Tama Coffee Roaster

    Tama Coffee Roaster Tama Coffee Roaster

    4年前に千住大門商店街にオープンした珈琲豆の店。少し苦みを感じる焙煎が店主の好みなので、販売する珈琲豆は主に中深煎りから深煎り。店にはブラジルやエチオピアのストレート珈琲とオオモンブレンドやママブレンドなどのブレンド珈琲の豆が10種類以上並んでいる。珈琲豆の販売がメインだが、店で淹れたコーヒーをテイクアウトも可能。さらに店には小さなテーブルとスツールがあるので店内でコーヒーブレイクもOK!さらにさらに自家製マフィンも人気だ。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・足立区千住柳町14−12

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