三ノ輪
日比谷線 三ノ輪駅

まさにわ商栄会

商店街一覧

下町三ノ輪の春の桜に思いを馳せて。

空は晴れ渡り、陽射しも充分にあるのだが流石に睦月の風は冷たい。
2024年最初の商店街散歩は下町の三ノ輪だ。
東京メトロ三ノ輪駅を出て、昭和通りを上野方面へ歩いて直ぐ。
街路灯のサインボードに
「まさにわ商栄会」と記された通りに出くわした。
昭和通りの喧騒と離れて、なかなか渋みのある、僕好みの通りだ。
サインボードの脇の店には
「手造りとうふ」と書かれたオレンジ色の看板。
二代目が暖簾を守る「小関とうふ店」は70年以上続く店だ。
ショーケースにはキツネ色の大きな生揚げが並んでいる。
そのすぐ先の生花店「花NAKAMURA」には色とりどりの花が、
これでもかと咲いている。
店の中は、もう春爛漫だ。
少し歩いた先の店のサンシェードには
「Liquor&Foods Wine ヤマノヤ Since1875」の文字。
明治8年創業の店では数人の客が食料品を買い求めている。
棚に目立つのはワインのラインナップだ。
店先の幟にも「ワイン愛好家公認店」と記されている。
元々酒店のヤマノヤは、創業からしばらくは
きっと日本酒の量り売りをしていたに違いない。
150年の歳月に対応して今のスタイルになったのだろう。
創意工夫で明治・大正・昭和・平成・令和の時代を
乗り切ってきたのだ。
通りの中程にある「肉のたけうち」にも数人の客が並んでいる。
こちらは大正時代から続く精肉店。
毎週木・金・土の特売日には客が列を成すほどの人気店だ。
商店街には、他にも魚店や米店などの物販の個店が
シャッターを上げている。
どの店舗も地元の人たちに長く愛されている店々だ。
通りに目立つのが立派な街路樹の並木。
葉は奇麗に落ち切って黒い幹と枝が空に伸びている。
木の事ならと「花NAKAMURA」のご主人に訊ねると、
街路樹は40年ほど前に植えられた桜だとのこと。
今、商店街のイベントは年末の売り出しだけになってしまったが、
以前は桜の季節には提灯を飾って桜祭りを催していたそうだ。
ただ、ご主人によると春には散った花びら、
秋には落ち葉の掃除で、これもまた大変なのだと笑いながらこぼした。
「まさにわ商栄会」、今度は桜咲く春に訪れてみよう。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・台東区根岸5丁目18−4

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