本郷三丁目
丸ノ内線 本郷三丁目駅

菊坂ロード

商店街一覧

コロッケを齧りながら、この坂から紡がれる新しい物語が読みたい。

受験シーズン真っ只中。
東京大学のある本郷に来た。ここは坂の多い街だ。
そして、明治、大正、昭和と多くの文士が暮らした街でもある。
樋口一葉、石川啄木、宮沢賢治たちも上り下りしたであろう坂が、
目的の商店街「菊坂ロード」だ。
東京メトロ本郷三丁目の駅を出て、本郷通りを東大方面に少し行くと
左手にゆるやかな下り坂が現れる。
坂の入り口の街路灯には
「きくさかどおり」の文字と菊のマークが記されている。
一方通行の道は車の通りも少なく、静かな住宅街の様相を呈している。
洒落たCAFÉなどを横目に見ながら坂を下ると
魚店、肉店、喫茶店が並んで現れた。
手前から青、赤、緑の少し古びたサンシェードがいかしている。
魚店の魚よし商店は今年101年を迎えた老舗だ。
作家たちもここの魚に舌鼓を打ったのかもしれない。
まるや肉店の前には名物の菊坂コロッケを買いに来た人たちが並んでいる。
今日、営業している商店街の物販の店は、これくらいなのだが、肉店と魚店がある。
それも並んである。それだけで素敵な商店街だ。
商店街の街路灯が終わっても坂はまだ続いている。
しばらく下りて行くとズボン堂という看板が目に入って来た。
ストレートな屋号に惹かれて思わず足を踏み入れると、
ここは戦前から営業しているズボン専門店だった。
今では貴重なデッドストックの
LEVI’SのジーンズやFARAHのパンツが多数並んでいる。
菊坂の左右には細い坂や階段がたくさんあり、
所々に明治や大正時代から残る家屋を見ることができる。
ズボン堂の主人に聞くと、
この辺りは空襲で焼けることなく古い家並みが残ったそうだ。
一葉が通った質店の家屋や水を汲んだ井戸なども残る。
ある路地の坂の途中に金魚問屋があった。
盥の中で金魚が泳いでいる。
冬の金魚も春を待っているのかな。
もうひと頑張り、受験生もファイト!

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • まるや肉店

    まるや肉店

    はためく菊坂コロッケの幟が示すように、まるや肉店で人気の惣菜はコロッケだ。話を聞いている間も、菊坂コロッケを求める人が絶えない。店内ではコロッケを揚げ続けている。僕も一つ頂いた。しっとりしたコロッケは、何個でも食べられそうだ。肉はもちろんジャガイモ、いや啄木や賢治なら馬鈴薯と言うだろう。肉はもちろん、馬鈴薯も良いのかな。

    まるや肉店

    まるや肉店 まるや肉店

    はためく菊坂コロッケの幟が示すように、まるや肉店で人気の惣菜はコロッケだ。話を聞いている間も、菊坂コロッケを求める人が絶えない。店内ではコロッケを揚げ続けている。僕も一つ頂いた。しっとりしたコロッケは、何個でも食べられそうだ。肉はもちろんジャガイモ、いや啄木や賢治なら馬鈴薯と言うだろう。肉はもちろん、馬鈴薯も良いのかな。

  • ズボン堂

    ズボン堂

    1937年創業のズボンの専門店。初代は舶来の生地を使ってオーダーメイドのズボンを作って販売していたが、戦後からアメリカのジーンズなどを扱うようになった店だ。今はお洒落な二代目が暖簾を守っている。店にあるのはアメリカの商品が中心。LEVI'SやFARAHやPENDLETONのデッドストックのパンツを販売している。ズボン堂は、修理もOKだ。チェーンステッチができるミシンまで置いている店はなかなか無い。

    ズボン堂

    ズボン堂 ズボン堂

    1937年創業のズボンの専門店。初代は舶来の生地を使ってオーダーメイドのズボンを作って販売していたが、戦後からアメリカのジーンズなどを扱うようになった店だ。今はお洒落な二代目が暖簾を守っている。店にあるのはアメリカの商品が中心。LEVI'SやFARAHやPENDLETONのデッドストックのパンツを販売している。ズボン堂は、修理もOKだ。チェーンステッチができるミシンまで置いている店はなかなか無い。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・文京区本郷5丁目 菊坂

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