飯田橋
中央線 飯田橋駅

神楽坂通り商店会

商店街一覧

店々に、細い路地裏に、時代の欠片がキラリ。

神楽坂下の交差点から欅並木の木陰を選びながら緩やかな坂を上っていく。
通りには東京理科大学へ通う学生の姿も多い。
着飾った観光客の間を縫うように普段着姿の老婦人や
ベビーカーを押した若いお母さんがゆっくりと坂を上っている。
通りの左右には店舗がぎっしりだ。
神楽坂通り商店会には飲食店が多いのだが、
古くからの和菓子店や履物店なども商いを続けている。
本日最初にお邪魔した店は神楽坂助六。
助六は明治43年創業の履物店。
与謝野晶子や菊池寛も訪れたことがあり、神楽坂の芸者も愛用する店舗だ。
坂の途中、その香りに誘われて入った店は香舗の椿屋。
様々な薫香の他に和雑貨も販売している。
坂の中程には毘沙門天 喜國寺がある。
毘沙門天の真ん前にあるのが、その名も毘沙門せんべい福屋。
和菓子店五十鈴のショーケースに並ぶ菓子はどれも美味しそうだ。
中でも一番人気は甘露甘納豆。
店先の熨斗袋とポチ袋に惹かれて入った店は相馬屋源四郎商店。
相馬屋のルーツは江戸時代に初代が和紙を漉き始めた頃まで遡る。
今は文具店として11代目が暖簾を守っている。
相馬屋製の原稿用紙は夏目漱石等の文豪も愛用したものだ。
神楽坂通りを折れて路地に入ると
花街の名残りである黒塀や石畳に出逢うことができる。
表通りと違って細い路地はひっそりとしている。
時間がゆっくりと流れて行く。
黒塀から覗く木々の青さが涼を呼んでいる。
この路地は無数の笑顔と涙を見てきたことだろう。
明治の頃、神楽坂界隈には尾崎紅葉や泉鏡花などの文人も住んでいた。
鏡花の「荒野聖」に出てくる妖艶な女性は
黒塀が続く細い路地の闇がある花街だからこそ生まれたのかもしれない。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 相馬屋源四郎商店

    相馬屋源四郎商店

    店先のガラス越しに見える様々な熨斗袋とポチ袋に惹かれて入った文具店は相馬屋源四郎商店。その発祥はこの地で凡そ400年前に和紙を漉き始めた初代源四郎に遡ることができる。紙漉きから始まり、次いで紙問屋、戦後文具店となった老舗中の老舗だ。ルーツが示す通り、相馬屋は紙製品の品揃えが豊富だ。中でも明治期に販売を始めた相馬屋製の原稿用紙は坪内逍遥や夏目漱石などの文豪も愛用した逸品。

    相馬屋源四郎商店

    相馬屋源四郎商店 相馬屋源四郎商店

    店先のガラス越しに見える様々な熨斗袋とポチ袋に惹かれて入った文具店は相馬屋源四郎商店。その発祥はこの地で凡そ400年前に和紙を漉き始めた初代源四郎に遡ることができる。紙漉きから始まり、次いで紙問屋、戦後文具店となった老舗中の老舗だ。ルーツが示す通り、相馬屋は紙製品の品揃えが豊富だ。中でも明治期に販売を始めた相馬屋製の原稿用紙は坪内逍遥や夏目漱石などの文豪も愛用した逸品。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・新宿区神楽坂3丁目2−16

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