神保町
半蔵門線 神保町駅

神保町春の古本まつり

商店街一覧

春の書店街には、鞍馬天狗と袴の女子学生。

今日、訪れたのは本の街で有名な神保町。
駅を出ると通りの所々に
「神保町さくらみちフェスティバル 春の古本まつり」の幟が揺れている。
図らずも今日は恒例の古本祭りの日だ。
靖国通りに面した書店たちのワゴンには本が山と積まれている。
掘り出し物は無いかとワゴンに群がる人々は、
まるで氷砂糖に集まる蟻のようだ。
ワゴンには、映画や演劇が中心だったり、
SFが多く並んでいたり、哲学が棚を占領したりと、
それぞれの古書店の得意分野の古本が積まれている。
ワゴンに目を奪われていたが、古書店の店舗に目をやると、
なかなか趣深い建築様式の建物も残っていて面白い。
神保町ブックセンターに掛かっている案内看板によると
明治期創業の店舗も多く残っているようだ。
さすが日本一、いや世界一の書店街だ。
近現代の日本文学の本を探してワゴンを覗きながら歩いていると
「中央公論社版 鞍馬天狗 全十巻セット 大佛次郎」
に目が止まった。装丁のイラストは横尾忠則のようだ。
こういう味わいある本との出会いは古書店歩きの醍醐味だ。
ちなみに大佛次郎は「おさらぎ じろう」と読む。
著者が鎌倉大仏の近所に住んでいたことに由来するペンネームだ。
近頃、本はネットで購入する人が多くなり、
街の商店街に書店を見かけなくなった。
ネット購入は手間が省けて良いのだが、
目的以外の本に出合う機会は無くなる。
今日の鞍馬天狗のように、
書店の棚に並ぶ本には思いがけない楽しさと出会いがあるのだ。
通りを歩く人々の中に、袴姿の女性がチラホラ。
どこかの大学の卒業式なのだろう。
はるか昔、大学での最後の授業が終わった日。
白山から神保町まで歩いたことを思い出した。
国文学を扱う古書店に入った記憶があるのだが、
何を手にしたのかは憶えていない。
何となくセンチメンタルな気分になっていたのだろう。
袴姿が歩く街の書店に並ぶ本たちは、
数えきれないほどの青春の終わりを見てきたのだろうな・・・

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・千代田区神田神保町2丁目

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