東中野
都営大江戸線 東中野駅

東中野名店会

商店街一覧

使い込まれた金槌が職人の証。

今日来たのは東中野駅。
東口に出て駅前交番近くの街路灯を見上げると
「東中野名店会」と記された重々しい金属製の
サインボードが陽光を浴びている。
街路灯の上に広がる梅雨入り前の六月の空はカラリと青い。
商店街の入り口近くに、
3枚あるシャッターの真ん中が閉じたままの靴店があった。
看板には「チューオー」と書かれている。
チューオー靴店の中に入って棚を見ると
多くの靴には二千円から三千円台の値札が付いている。
かなり廉価な商品だ。
店主に話を聞くと儲けは度外視で商いを続けているらしい。
チューオー靴店の店主は靴職人でもあり、
以前は注文靴も作っていたそうだ。
今でも修理は受けていて月に1、2件は
ヒールの修理などがあるということだ。
お願いすると
店の奥から靴を修理する台金と金槌を見せてくれた。
年季の入った道具が店の歴史を無言で語っている。
通りを先に進んで行く。
通りの中程に雰囲気がある畳店を見つけた。
看板建築の店舗には「新堀畳店」と記されている。
畳の需要はかなり少なくなったが、
店主は今でも一畳30kg程の畳を運んでいる。
なかなか骨が折れる仕事なのだと店主は笑っている。
さらに先に米店があった。
丸越米店にある分銅の秤は外国人には珍しいようで、
先日もフランスからの観光客が秤の写真を撮っていったそうだ。
商店街の終わり近くにあるのは水津電気商会。
店先には「たばこ」の看板も掛かっている。
女将さんに聞くと今は家電の販売はしておらず、
息子さんの三代目が行う電気工事が主な仕事で、
女将さんはたばこの販売をしながら店番をしているとのこと。
店の中には今は使わなくなった
手作りの電気の測定器が誇らしげに壁に掛かっている。
商店街の南の端は大久保通りに突き当たる。
南北に500m程続く商店街にシャッターを上げている店は少なく、
マンションの建築が数か所で進んでいる。
狭くなる空の下、
靴の修理道具は今も現役で頑張っている。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・〒164-0003 東京都中野区東中野1丁目50

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