八丁堀
京葉線 八丁堀駅

八丁堀鈴らん会&八丁堀二八通商店会

商店街一覧

町も人も、雲のように流れ行く。

東京メトロ八丁堀駅から地上に出た。
目の前にはオフィスビルが林立している。
ビルを見上げると流れる雲の間から太陽が時折顔を出す。
日射しが弱くても、暦の上では立秋を過ぎても、
八月の東京は夏真っ盛りの蒸し暑さだ。
地下鉄の地上口の前を通る新大橋通りは、
人や車の往来が激しい。
人いきれと喧騒を避けるために
路地に入って東京駅方面へ歩く。
大通りの一本奥の道に
「鈴らん通り」の看板を付けた街路灯が現れた。
一方通行の通りの往来は少ない。
通りに建つのは殆どがビルで、
まばらにある商店も飲食店が中心だ。
時の流れを感じさせる
古い佇まいの喫茶店も数店舗営業している。
八丁堀で働く人たちが打ち合わせやランチ、
ちょっと一息などに使い続けているに店に違いない。
のんびりと通りを南に進むと十字路の角に古い建屋が現れた。
看板には「神佛師 秋山三五郎商店」と書かれている。
扉は閉じられているが、商売は続けているようだ。
さらに先に歩いて行くと
年季を感じさせる暖簾が架かる和菓子店を見つけた。
店の名は「伊勢屋」。
中では女将さんと娘さんが栗饅頭を包装しながら店番をしていた。
店の奥では店主が和菓子を作っている。
女将さんに伺うと自分たちは三代目で、
伊勢屋は明治時代から続く店とのこと。
ショーケースには茶饅頭や水まんじゅう等が並んでいる。
可愛らしい猫の顔の焼き印が押されたどら焼きもある。
中でも店の一番の人気は豆大福。
ということで僕も家への土産に豆大福を購入。
鈴らん通りを歩いていると
横道に鈴らん通りのそれとは違う緑色の街路灯が立っていた。
街路灯には「二八通り商店会」と書かれている。
二八通りに入って行くとパン店がシャッターを上げている。
看板に記された文字は「BAKE KITCHENさとや」。
店に入ってパンの写真を撮らせてもらった。
さとやの二代目店主に聞くと、
以前は町に住む人たちのお腹を満たしていたが、
今は街で働くビジネスマンやOLたちが店の常連とのことだ。
先程の伊勢屋の女将さんもバブル前までは青果店や鮮魚店、
おもちゃ店などが軒を並べるごく普通の商店街で、
近隣に住む人たちで賑わっていたと話していた。
鈴らん通りの南の端に
「八丁堀の与力・同心組屋敷跡」の看板がひっそりとあった。
八丁堀は江戸の昔、与力や同心が住んだ町だ。
江戸の面影を見つけることはできないが、
鈴らん通りの脇の路地に入ると、
ビルの狭間に二階家などがまだ残っている。
町の路地裏にビジネス街以前の八丁堀の姿を垣間見ることが出来る。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・中央区八丁堀

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