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エーダンモール深沢商店街

商店街一覧

春の日差しに包まれて、桜を愛でるも、店を巡るも。

新緑が芽吹き始めた駒沢オリンピック公園を抜けて、
駒八通りを南へ行くと呑川緑道の桜並木が見えて来た。
薄桃色に彩られた向こうに黄色い街路灯が見える。
街路灯には大きくエーダンモール深沢の文字。
住宅街に突如現れたのが、今日の目的地エーダンモール深沢商店街だ。
駒八通りを少し進むと右手にアーチが現れた。
アーチには手を繋いだ母と二人の子供のモニュメントが施されている。
ここが商店街のメインストリートなのだろう。
ほのぼのとした空気を感じる通りだ。
商店街を散策すると、酒店、洋品店、雑貨店、
薬局などの物販の個店がシャッターを開けている。
商店街唯一の生鮮食品の店である青果店のシャッターには
「都合により本日休ませて頂きます」の張り紙。
うむ、残念。
エーダンモール深沢商店街の起こりは、
先の大戦中に家を焼かれた人たちのために建てられた住宅が、
戦後に払い下げられて営団住宅になったことから、
この地域にたくさんの人が住むようになり、
自然発生的に商店が集まって来たのだと商店街の会長でもある
「あすか理容室」のご主人が教えてくれた。
エーダンは営団のことなのだ。
昭和40年代頃までは80以上の店舗があり、
駅からも遠い地域なのに活気に溢れていたそうだ。
一本奥の路地に「かつおぶし」と書かれた濃紺の幟を見つけた。
店の壁面には「鰹節問屋 宮崎かつおぶし店」の渋い立体文字。
乾物屋さえ珍しくなったのに鰹節専門店は貴重だ。
鰹節に適した鰹は今の時期に獲れる脂の乗りが少ない初鰹だそうだ。
個店を訊ねると勉強になることが度々ある。
今日、入学式だったのだろう。
呑川緑道の散り始めた桜の下を
真新しいラドセルを背負った子どもたちがお母さんと手を繋いで歩いている。
商店街のモニュメントと一緒だ。
新一年生も桜も鰹も春と共に巡って来るのだな。
エーダンモール深沢商店街は、春の柔らかい陽射しが似合う商店街だ。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • 宮崎かつおぶし店

    宮崎かつおぶし店

    昭和28年創業の鰹節問屋。現在の店舗での営業は昭和38年から。元は蕎麦屋への卸売販売が中心であったが、近頃は保育園などにも卸売りを行い、店頭での小売販売もしている。主に指宿から仕入れた鰹節を2階の作業場で加工して削り節を作っている。「花かつお」「おかか削り」「本枯節厚削り」「混合削り」など、その種類は様々。削り節は、鰹節を洗って、乾して、蒸かして、削るという手間のかかる作業を経て出来上がる。宮崎かつおぶし店の削り節と醤油だけで、温かいご飯が何杯でも食べられそうだ。

    宮崎かつおぶし店

    宮崎かつおぶし店 宮崎かつおぶし店

    昭和28年創業の鰹節問屋。現在の店舗での営業は昭和38年から。元は蕎麦屋への卸売販売が中心であったが、近頃は保育園などにも卸売りを行い、店頭での小売販売もしている。主に指宿から仕入れた鰹節を2階の作業場で加工して削り節を作っている。「花かつお」「おかか削り」「本枯節厚削り」「混合削り」など、その種類は様々。削り節は、鰹節を洗って、乾して、蒸かして、削るという手間のかかる作業を経て出来上がる。宮崎かつおぶし店の削り節と醤油だけで、温かいご飯が何杯でも食べられそうだ。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・世田谷区深沢3丁目3−7

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