青物横丁
京浜急行電鉄線 青物横丁駅

青物横丁商店街

商店街一覧

新しいイ草の香りに誘われて、古い街道を歩く。

青物横丁駅の改札を出る。
京浜急行線の高架を見上げると、
雲の切れ間から時折青空が見える。
この季節、雨も降らず、
陽光も雲に遮られる天気は散歩に有難い。
駅の目の前の通りの名はジュネーブ平和通り。
「品川区とスイスのジュネーブ市との
友好親善の発展を願って命名された」
と通りの案内板にある。
ジュネーブ平和通りを東へ少し行くと
旧東海道が交差する。
このジュネーブ平和通りと旧東海道に面してあるのが
「青物横丁商店街」だ。
二つの通りの名称のコントラストが面白い。
今日は旧東海道を中心に歩いてみる。
品川方面へ歩くとかなり時代を感じさせる店舗があった。
看板には右から「疊松岡」と書かれている。
中では店主が畳表の張替えの最中だ。
忙しい中、話を聞くと店は安永8年(1779年)創業で、
店主は七代目とのこと。
店の看板を左から読んで
「岡松疊」と間違える人も多いそうだ。
旧東海道は八ツ山橋から平和島あたりまで、
関東大震災も東京大空襲の戦禍も免れたので、
まだ古い建物が残っていて通りに多い寺社にも
時代を経た建物を見ることが出来るのだと
七代目が教えてくれた。
畳松岡の店舗も数々の災禍を潜り抜けてきたに違いない。
「諏訪神社」と記された石塔が立つ路地を入ると
七代目が言う通り古い社殿と狛犬がいた。
神社の近くの店舗に「三菱鉛筆」
と記された立派な銅板を掲げた店がある。
クマガイ文具店では
二代目の女将さんが店番をしている。
女将さんが子供の頃は、店の前の旧東海道は
舗装されておらず、材木を載せた大八車を馬が
土煙を上げながら引いていたそうだ。
青物横丁商店街には品川区最古の寺の品川寺がある。
真言宗醍醐派の品川寺は
「しながわじ」ではなく「ほんせんじ」と読む。
入り口には大きな地蔵菩薩が鎮座している。
竈の神様で知られる曹洞宗の海雲寺と
顕本法華宗の天妙国寺も通りにあり、
どの寺の社殿も昔からのものらしく、
大きな鐘を吊るした立派な鐘楼も見ることが出来る。
また古い石塔が道端に佇んでいたり、
新撰組副長の土方歳三が訪れた
旅籠である釜屋跡の案内板などもある。
物販の店舗は数少ないが、青物横丁商店街を歩けば、
古い街道の残り香に触れることが出来る。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・東京都品川区

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