西大井
横須賀線 西大井駅

のんき通り商店街

商店街一覧

「のんきに歩くとスリにあう」のは、今は昔。

今日は霜月の朔日。
訪れたのはJR横須賀線の西大井駅。
初めて下り立つ駅だ。
横須賀線の線路の下のトンネルに、
近くの小学生が描いた壁画があった。
ほのぼのとした気分にさせてくれる子供たちの画を横目に、
北へ少し歩くと青い街路灯が見えてきた。
街路灯の柱には白い文字で「のんき通り商店街」
と記されている。
このキュートな名前は誰が付けたのか、気になるところだ。
商店街の入り口近くに小さな雑貨店があった。
店先の花が可愛い小野寺小物店には女将さんが一人。
話を聞くと元々はカメラ店だったのだが、
デジタルカメラの普及でDPEの需要も殆ど無くなり、
洋品や小物雑貨を扱う店に商売替えをしたそうだ。
女将さんが嫁いできた頃は、商店街にはびっしりと店舗が並んで
毎日がお祭りのように賑わったのだが、
今では店舗はかなり少なくなってしまったと話してくれた。
商店街を進んで行くと、通りの中程に客で賑わう店を発見。
「えどや」は総菜と刺身の店だ。
元は乾物店だったが40年ほど前から今の商売を続けている。
長い間、街の人たちのお腹を満たしている店に違いない。
先に進むと壁に大きく「米」と記された店があった。
丸新米店は、のんき通りで70年以上商いを続けている。
古くからの店なので二代目に「のんき通り商店街」
の名前の由来を聞いてみた。
戦前、この地には「のんき市場」という市場があったそうだ。
明治時代からある市場で、スリが頻繁に出るほど
賑わいを見せていたのだが、東京大空襲で市場は焼けてしまい、
その後、通りに復活した商店街は、市場に因んで
「のんき通り商店街」という名称にしたとのこと。
なぜ元となった市場が「のんき」だったのかは、分からなかった。
丸新米店の斜向かいに新しい洒落た店を見つけた。
大きなガラスの扉の向こうには、何やら可愛らしいオブジェが見える。
店の看板を見ると「ambos coffee COFFEE STAND」と書いてある。
中に入ると店主と二人の先客が楽しそうに話をしている。
ambos coffeeでは、その時々に厳選されたコーヒーを
10種類ほど用意している。
コーヒーは、オーストラリアなどでバリスタの経験を積んだ
店主がハンドドリップで淹れてくれる。
先客の二人の手にはもちろんコーヒーが握られている。
店はギャラリーとしての機能も備えていて、
今日は猫をモチーフにした作品が飾られていた。
ambos coffeeでのんびりとブレンドコーヒーを飲んでいると、
米店の店主が店先に出て来てシャッターを下ろし始めた。
目があったので会釈すると、これから配達なので
一時シャッターを閉めるのだと笑っている。
コーヒーの湯気の向こうに米店店主の笑顔。
「のんき通り商店街」か・・・
今日のようにのんびりと散歩するにはピッタリのネーミングだ。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

  • ambos coffee

    ambos coffee

    2022年に開店したコーヒースタンド。店はオフィスや住宅の内装、家具などのプロダクトのデザインを手掛けるデザイン事務所に併設されている。コーヒースタンドの営業は毎週金曜、土曜、日曜の3日間。オーストラリアなどでバリスタとしての経験を積んだ店主がハンドドリップで淹れる珈琲のファンは多い。今日も2人の常連が珈琲を片手に四方山話に花を咲かせていた。ambos coffeeはコーヒーの販売だけでなくギャラリーとしての機能も備えている。僕が伺った時は猫をモチーフにした絵やオブジェが飾られていた。街のコミュニティスペースとしても一役買っている店舗だ。

    ambos coffee

    ambos coffee ambos coffee

    2022年に開店したコーヒースタンド。店はオフィスや住宅の内装、家具などのプロダクトのデザインを手掛けるデザイン事務所に併設されている。コーヒースタンドの営業は毎週金曜、土曜、日曜の3日間。オーストラリアなどでバリスタとしての経験を積んだ店主がハンドドリップで淹れる珈琲のファンは多い。今日も2人の常連が珈琲を片手に四方山話に花を咲かせていた。ambos coffeeはコーヒーの販売だけでなくギャラリーとしての機能も備えている。僕が伺った時は猫をモチーフにした絵やオブジェが飾られていた。街のコミュニティスペースとしても一役買っている店舗だ。

商店街。MAP

  • ●住所
     ・品川区二葉3丁目20

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