浅草
銀座線 浅草駅

浅草地下商店街

商店街一覧

混沌の地下を行く。これも浅草、これぞ浅草。

浅草寺の伽藍の上には、今にも泣きだしそうな重い雲が垂れ込めている。
6月の雨に降られても濡れないように、
今日は地下にある浅草地下商店街に来た。
商店街は東京メトロ銀座線の浅草駅改札の目の前。
地上に出ることなく行くことができる。
理容室や占いの店、DVDショップなどもあるのだが
商店街の多くは飲食店だ。
老舗の飲食店「福ちゃん」では焼きそばを食べながら
サッポロの赤星を飲むことができる。
数百種類のカップ酒が楽しめる「NINJABAR」では、
なんと忍者が接客してくれる。
その他にも小料理屋や居酒屋、エスニックな東南アジア料理店など、
なかなか個性豊かな飲食店のラインナップだ。
残念ながら今は午前中、多くの店は開店前だ。
地下商店街は夕方以降に賑わってくるのだろう。
営業中の福ちゃんで話を聞くと、
常連客も多いのだが海外からの観光客も
毎日のように店を訪れるのだと話してくれた。
印刷/編集/アド・ディスプレイの「PRホリ 浅草PRセンター」のご主人によると、
以前は靴店などの物販の個店も多かったのだが
近頃は飲食店が中心になってきたとのこと。
昭和29年頃に開設した浅草地下商店街は、日本一古いかもしれず、
少なくとも現存する地下商店街では東京一古いのだと教えてくれた。
天井にある剥き出しの配管やケーブルが、時の流れを物語っている。
商店街のどん突きは金網の扉で閉ざされており、
その先には空間が広がっている。
当初、浅草地下商店街は浅草寺の二天門まで伸びる予定だったのだが、
諸々の事情で現在の形に落ち着いたそうだ。
ちなみに商店街の入り口にある
看板の「レトロ通りをメトロで乗り降り」のキャッチフレーズは、
元新聞記者であったPRホリのご主人のコピーだ。
看板と言えば「座り込み・寝込み禁止」の看板も気になる。
昔、寒い冬の夜には地下商店街で寝泊まりする人も多かったらしい。
看板を見ていたら高田渡の楽曲を思い出した。
「歩き疲れては 夜空と陸との 隙間にもぐり込んで
草に埋もれては寝たのです 所かまわず寝たのです」・・・
所かまわず寝ることが難しくなった昨今。
便利にはなったが、生き辛くもなったな。
浅草地下商店街の混沌とした懐かしさは、
角張った気持ちを少し柔らかくしてくれる。

案内人:小林猛樹
写真はこちら

案内人

商店街。ひと、もの、あじ

商店街。MAP

  • ●住所
     ・台東区浅草1丁目1−12 地下1階

コメント

*が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

トップへ
街てく。